DMM TVでクソホラーばっかり見て飽きてきたので良作であろう回路を視聴した
避けてるつもりだけどネタバレ注意かもしれない
結論としてはめちゃくちゃよかった
インターネットの普及し始めた時代の空気感、繋がってるように見えてもそんなことない、人は孤独であるとかそういう感じは時代を先取りしてるかもしれない
なんとなくlainと通ずるもの感じる個人的には
霊の描写もかなり良い、好みだった
直接的に映るのはあまりなくて触れてしまった人たちは黒いシミになって消えていく、消えた人が霊として出てくる場面もぼやけた姿でピントが合うのは主人公が自分から接近したかなり近い距離の一瞬くらい?
ホラー映画でよく出るセリフ「助けて」がこんなに悲痛だったことは初めてだった
生きてる間のみならず死んでからも永遠に孤独になってしまった人たちの苦しみの声なんだよね、まだ死んでない子も同じセリフを言うけど遠からずそうなっちゃうから途方もなく恐ろしいってことだろうな
流れるように主要な人物以外人がいない世界になってるのもいい
自然に世界が壊れていく感じ
あとテレビの画面に名前と年齢を読み上げてその人物が映ってその人物を黒い枠が囲うのを何人も繰り返す映像が流れるシーンもかなり不穏でお気に入り
都市伝説の明日の犠牲者的(もしかしてこれが元ネタの一つ?)でただの黒枠が遺影的に思わせてくるのがうまいね
その映像を主人公は怖がるでもなくスルーしてくのもいい
そういう心霊的な演出もいいし構図もなんかいいなと思うときがちょくちょくあった
印象深いのは主人公のギャル男くんが廃工場で転がったフタを追いかけて開かずの間に入ってしまうシーン
ドアの外の明るいところから霊のいる暗がりに開かずの間に入ってくコントラストが芸術的
主人公のギャル男くんとギャル男くんといい感じになった同じ大学の女の子(小雪)が不安に駆られて遠くに行こうと電車に乗るシーンがあるんですけど、電車が止まって異常を確認しにギャル男くんが待っててって言ってダッシュしたところで即座に電車から逃走する小雪はちょっと笑った
間違いなくギャル男くんは小雪のこと好きなんだけど小雪を探すときに出会った女の人(たぶんこの人も主人公)に小雪のこと友達って言うのがなんかいい
この女の人もラストで出会った生き残りの人にギャル男くんのこと友達って言うのもまたいい
ギャル男くんと行動したのはそんなに長くないと思うんだけどそれでも友達なんだなあって
なんか最終的にはバイオの映画でこんな感じの見た気がする…!で終わったけど面白かったと思う
正直怖いかどうかでいうと怖くなかったけど不穏な雰囲気、良くない場所の空気感は最高に良かった
ジャンプスケアのないホラーを求めてる人にはおすすめできると思います
ただまあ、結局どういうこと???感も否めない
否めないけど作中に出てきてた院生の先輩の見解の通りなのかな
静かな雰囲気で飲まれてくからどゆこと?ってなるけど他のホラーも怪異の原理は基本むちゃくちゃだし…
人がいなくなった街とか2000年代初頭の空気感がドンピシャで刺さったので2回目以降も見たくなる映画だった
おしまい