エンドロールの最果てにて【B】

懲りずにまた来たのか。誰も入れないようにしてるはずなのにいったいどんな抜け道を使っているんだかね。

まあいい。今はお前に構うつもりはない。忙しいのでね。
勝手に見ていればいい。どうせすぐに飽きるだろう。

椅子の周りに散らばってる物?
これは□□の成り損ない。
向かい合って座ってるの奴?
これも□□の成り損ない。
あっちの花畑にいるのは誰か?
あれも□□の成り損ない。
そっちの池を覗き込んでるのもそう。
今目の前を横切ったのは一番新しいのかな。

□□はそんな大口開けて笑わない。
□□は無闇やたらと花をむしったりしない。
□□は池に飛び込もうとしない。
□□は意味もなく走り回らない。
どれもまた失敗。さようなら。

また残骸が増えてしまったな。
この屍の山が天まで届く頃には本物の□□が戻ってくるのかな。
なあ、お前はどう思う?ああ、答えなくて結構。
わからないだろうから。

これでわかったろう。ここが不毛でつまらない場所だって。
だからもう帰ってくれないか。記憶の中の□□を再現するのに誰かいると気が散るんだ。

立ち去る